デュルケーム研究会
デュルケーム/デュルケーム学派研究会
デュルケーム/デュルケーム学派研究会とは、本科研研究の基盤となる研究会です。
デュルケーム/デュルケーム学派研究会の趣旨
世紀転換期のグローバルなレベルにおける社会的、文化的な変化の中にあって、最近、国際的にも国内的にも、デュルケームやデュルケーム学派の業績の再評価の気運が高まってきています。日本においても、若い世代を中心としてデュルケーム/デュルケーム学派に関心を抱く研究者が増えつつあります。
このような状況を考慮に入れつつ、前世紀転換期の古典であるデュルケーム社会学、および、その発展型としてのデュルケーム学派について調査・研究することによって、現世紀転換期の社会・文化・人間の構造や動態を分析・説明・解釈するための基礎的・原理的なパースペクティヴを明らかにします。このために相互啓発的な研究会を定期的に開催しています。(2000年9月)
研究成果(出版物)
研究会のツイッターはこちら
ニュースレター
この研究会が作成・公開してきたニュースレターは、貴重な研究蓄積です。同研究会の許可を得て以下に掲げます。
(2016年~は下記の科研研究のニュースレターに合流して発刊)
開催された研究例会や国際シンポジウム
「社会学のディシプリン再生とデュルケーム」
「社会学のディシプリン再生とデュルケーム」とは、デュルケーム/デュルケーム学派研究会を基盤とした科研費研究(2015~18年度「社会学のディシプリン再生はいかにして可能か——デュルケーム社会学を事例として」基盤研究(B)15H03409、研究代表者:中島道男)の略称です。今回の科研の原点でもあり、そのテーマと目的は下記でした(同科研ウェブサイトより了承を得て転載)。ウェブサイトはこちら
現代の社会学はディシプリンの固有性が揺らぎ、発信力や教育力の低下、学徒減少などの危機に直面している。この危機に根本から取り組むには、社会学のディシプリンがどのように構築されてきたかを解明する「自己反省の社会学」の営みをさらに深化させる必要がある。
このため、本研究は、ディシプリンの確立を成し遂げたデュルケーム社会学を事例として取りあげ、①多種多様な“sociologie”論から制度的な「社会学」が成立した過程、②学説の批判・再解釈を通じたディシプリン変容の過程を解明し、③国際比較調査によって、各国の学説受容における社会・文化的条件との関係とアメリカ社会学の影響を明らかにする。また、④我が国における社会学教育(学説・理論教育)を調査し、新たな教育法と教材のモデルを開発・提示することによって、ディシプリンの再生に実践的に取り組む。
研究成果(最終報告書)
※書誌(下記諸論文すべてに共通):『デュルケム社会学の成立と受容:ディシプリンとしての社会学を考えるために』 平成27年度~平成30年度科学研究費補助金基盤研究(B) 「社会学のディシプリン再生はいかにして可能か:デュルケーム社会学を事例として」 課題番号 15H03409 成果報告書
※リポジトリサイト→デュルケム社会学の成立と受容:ディシプリンとしての社会学を考えるために
- 目次
- 太田健児, デュルケーム社会学とエピステモロジー:デュルケーム社会学のディシプリンを支える「科学性」の問題
- 北垣徹, フイエとギュイヨー:デュルケームの先駆者たち
- 小関彩子, 永遠の真理と変化する実在:デュルケムとベルクソンにおける言語的観念の役割
- 池田祥英, 犯罪の正常性をめぐるデュルケームとタルドの論争
- 赤羽悠, 社会学という実践:デュルケームにおける社会の客観性をめぐって
- 三上剛史, デュルケーム社会学の21世紀:モース『贈与論』と現代社会の出会い
- 古市太郎, 社会学の固有性について:経済社会学・MAUSSの歩みとそこからの展開
- 江頭大蔵, 個人と社会の異質性とディシプリンの変容
- 金瑛, デュルケーム学派と心理学
- 笠木丈, デュルケムとベルクソン:社会の内在性と超越性をめぐって
- 溝口大助, 聖なるもの、沸騰、事物:デュルケーム宗教論再考
- 岡崎宏樹, 体験理解の方法論的探求:デュルケームからバタイユへ
- 杉谷武信, パーソンズのデュルケム解釈:パーソンズの主意主義的行為理論をめぐって
- 村田賀依子, デュルケームの宗教論からブルデューの国家論へ:「社会とは神である」をめぐって
- 中島道男, 100年後のデュルケム:バウマンの批判に応えて
- 中倉智徳, 東アジアでのデュルケーム受容と「圧縮された近代」
- 林大造, 韓国調査報告:キム・ミョンヒ氏インタビューより
- 川本彩花・吉本惣一・藤吉圭二, バルセロナ三大学調査について
- 横井敏秀, トルコの大学における社会学教育の制度化とデュルケーミスム:ズィヤ・ギョカルプ(Ziya Gökalp) の活動を中心に
- 小川伸彦, 「古典化」されるデュルケーム:1930年代までのアメリカの社会学誌を中心に
- 横山寿世理, 日本の社会学教科書の中で生きるデュルケム:デュルケム社会学のパースペクティブと概念をめぐって
- 山田陽子, 『デュルケームの論点』刊行に寄せて:E.デュルケーム没後100周年記念に
- 川本彩花, 社会学理論・学説の記述における伝記的背景:日本の社会学教科書の分析
- 梅村麦生, ドイツの社会学教科書とシラバスに見るデュルケーム:社会学の方法論と主題設定に関して
- 白鳥義彦, 「社会学教科書の社会学」とデュルケーム
「社会学のディシプリン再生とデュルケーム」ニュースレター
アーカイブしておくべき研究蓄積として、研究代表者の許可を得てリンク掲載。
リンク集
デュルケーム関係や社会学全般
- Durkheimian Studies / Études Durkheimiennes 誌
- Centre Émile Durkheim (エミール・デュルケームセンター)
- British Centre for Durkheimian Studies (BCDS)(オックスフォード大学内)
- Institut Marcel Mauss (IMM)
- デュルケーム/デュルケーム学派研究会
- 科研費研究「社会学のディシプリン再生とデュルケーム」(ウェブサイト)
- 科研費研究「社会学のディシプリン再生とデュルケーム」(KAKENページ)
- 日仏社会学会
- 日本社会学史学会
- 日本社会学会
- International Sociological Association
- ASA Journals(アメリカ社会学会刊行諸雑誌リンク集)
- L'Année sociologique 誌
感情・情動論関係
- 山田陽子,「ポスト・ヒューマン時代の感情資本」(De-Siloプロジェクト)
- WG08 Society and Emotions(世界社会学会議 WG08 社会と感情)
- Sociology of Emotion Research Network(European Sociological Association)
- The ASA Section on Sociology of Emotions(アメリカ社会学会 感情の社会学)
- Sociology of Emotions Study Group(イギリス社会学会 感情の社会学)
- RN11 - Sociology of Emotions(欧州社会学会 感情社会学部会)
- The research unit Sociology of Emotion(ベルリン自由大学 感情社会学研究ユニット)
- Popular Psychology, Self-Help Culture and the Happiness Industry (weebly.com)
(学術ネットワーク:ポピュラー心理学、セルフヘルプ文化、ハピネス産業) - Emotions and Society 誌
- Emotion Review 誌
- Routledge Studies in the Sociology of Emotions(シリーズ刊行物)